征矢野久 水彩館

ピエゾグラフ(ジークレー)とは

 版画には、「木版画」や「リトグラフ」「シルクスクリーン」など、いくつもの技法があり、各技法それぞれの特徴があります。版画の制作では、作家の意図や原画のイメージによって、これらの技法が使い分けられています。

 近年、著しく発達した版画の技法として「ジークレー(ジクレーとも表記されます)」があります。これは、原画をデジタル化してコンピューターに取り込み、インクを紙に吹き付けて印刷する方法です。作家の微妙な筆のタッチを忠実に再現し、画材の素材感まで大切に表現したい作品に適切な技法です。現在では、美術館が所蔵している絵画の複製を制作したり(実物の代わりとして展示されます)、作家等が版画作品として制作したりするなど、広く利用されるようになりました。

 「ジークレー」は、専用のスキャナーとプリンターを使用します。機器のメーカーは、より高品質の作品を制作できるように独自技術を開発していますので、使用する機器によって名称が変わります。「ピエゾグラフ」はセイコーエプソン社の開発した技術と機器を使用して制作されたもので、キヤノンでは「イメージプログラフ」と呼ばれます。
機器メーカーの技術と、制作を担当する工房の技能、そして監修する作家の感性によって仕上げられた作品が、版画としての「ピエゾグラフ」です。

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